高血圧の症状・原因・治療・食事をしっかりサポート!血圧を正しく知って、高血圧症を予防・治療しましょう!
血圧が高い人必見!血圧を下げるための高血圧治療ガイド
高血圧に合併する病気 脳血管疾患

 脳出血

 高血圧と最も関係の深い合併症の1つに脳血管障害があります。その代表的な病気が脳卒中で、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞があります。脳出血の多くは高血圧と老化によって脳の細動脈が動脈硬化し、さらにそこへ高い血圧がかかる事で破れて出血を起こします。

 動脈は細いほど血圧の影響を受けやすく、血圧の高い状態が続くと動脈壁が壊死を起こすようになります。そのため、その部分が弱くなり高い血圧に耐えきれずにふくらむようになり、動脈瘤になります。血管壁が膨らんで薄くなっているので、ふとした弾みで破れて出血を起こします。そのため、脳出血の多くはなんの前ぶれもなく、突然に急な頭痛やめまい、嘔吐などに襲われます。出血場所や出血量にもよりますが、意識障害やけいれん、片マヒ、言語障害などが起こる事もあります。

 脳出血の経過は出血した場所と出血量によって異なり、意識障害が軽い場合には生命が助かる率が高くなりますが、言語障害や片マヒなどの後遺症が残る事も少なくありません。その場合には早い時期からリハビリに取り組む必要があります。


 くも膜下出血

 脳は髄膜に覆われていますが、髄膜は上から順に硬膜、くも膜、軟膜という3層の膜になっており、それぞれの膜の間に血管が走っています。くも膜と軟膜の間にはくも膜下腔と呼ばれる空間があり、そこは髄液で満たされています。くも膜下出血とはそこにある血管が破れてくも膜下腔に出血する事をいいます。

 血管が破れる原因には高血圧による動脈瘤と脳動静脈奇形によるものがあり、脳動静脈奇形による破裂は高血圧に関係なく若い人に起こりますが、脳動脈瘤は40歳以上の高血圧の人に多く起こります。症状としては、突然の激しい頭痛や吐き気、嘔吐などに襲われるのが特徴です。CT検査などを行い、可能であれば手術を行って出血を止めます。最近では脳ドックで脳動脈瘤が発見されると、破裂を防ぐために手術を行ったりしています。


 脳動脈硬化症

 脳動脈が動脈硬化を起こして血流が悪くなると、片マヒや言語障害といった脳卒中発作が特徴的ですが、そのような症状が起こらずに頭痛やめまい、立ちくらみ、手足のしびれ、不眠、耳鳴り、物忘れなどの様々な症状が起こる事があります。そのような状態を脳動脈硬化症といいます。
 これは高血圧の高齢者に起こりやすく、糖尿病がある場合はさらに進行しやすいといわれています。最近ではこの病気の概念があいまいである事や、他の病気の症状が含まれている事もあるので、脳動脈硬化症という病名は使われなくなっています。いずれにせよ、高血圧とともに何らかの症状がある場合は脳卒中の前段階である事があるので、必ず医師に相談するようにしましょう。


 脳梗塞

 脳梗塞とは脳動脈の動脈硬化が起こっている部位に血栓などが詰まって血流が途絶えてしまう病気です。そのためその先の脳に血液が行き渡らなくなるので、脳細胞は壊死してしまいます。脳梗塞が起こると、片マヒや言語障害などの症状が現れるようになります。これらの症状は突然起こる場合と、徐々に起こる場合があります。

 治療としては、CT検査やMRI検査などで脳梗塞の起こっている場所と状態を調べ、抗血栓薬や脳循環代謝薬、降圧薬などの薬物療法を行います。詰まった血管部位にカテーテルを入れて詰まりを取り除く外科的治療を行う事もあります。

 また、脳梗塞とは異なり、一時的に脳の血流が途絶える事で片マヒや言葉のもつれを起こす事があります。このような症状を一過性脳虚血発作と呼んでおり、脳梗塞の前ぶれと考えられています。このような症状が起こった場合は、軽視せずに医師に相談するようにしましょう。この段階で適切な治療と生活改善を行う事が、脳梗塞の発症を予防する事になります。


 脳血管性痴呆

 老人性痴呆は大きく分けると、アルツハイマー型痴呆と脳血管性痴呆があります。最近ではアルツハイマー型痴呆が増加傾向にありますが、脳血管性痴呆も欧米人に比べて多く見られます。脳血管性痴呆の主な原因は、脳血管が動脈硬化を起こして小さな脳梗塞をいくつも起こす多発性脳梗塞や、脳血管障害の後遺症によるものです。脳の血流が妨げられる事で脳細胞に十分な血液が行き届かず、脳細胞が減少するために痴呆症状が現れます。

 中高年以降になると個人差はありますが、誰でも記憶力が低下して物忘れも多くなります。例えば、会ったばかりの人の名前が出てこなくなったり、昨日食べた食事のメニューが思い出せなかったり。しかし、健康な人が出来事の一部を思い出せないのに対して、痴呆になると会った事自体、食べた事自体覚えていないという違いがあります。

 しかも、次第に時間や場所の認識ができなくなったり、計算ができなくなったりと、日常生活に支障をきたしてきます。また、感情が不安定になったり、うつ状態に陥ったりもします。さらに進行すると徘徊や人格崩壊なども起こる事があります。これらの治療には血管拡張薬や脳循環代謝改善薬、抗うつ薬、抗精神病薬などの薬物療法が行われます。










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