腎硬化症
腎臓には糸球体と呼ばれる血液中の老廃物をふるい分ける部分があり、老廃物は尿として排泄されます。血圧が上がるほど腎臓にかかる圧力も上がるため老廃物の排泄量も増えていきますが、このような高血圧の状態が10年も20年も続くと、腎臓の糸球体や細い血管に負担がかかるために障害が起こるようになっていきます。
糸球体障害が起こると血液中の塩分や老廃物が排泄されなくなるため血圧はますます上昇し、脳や心臓の障害も進めてしまいます。この状況が改善されずに90%以上の機能が障害されると、血液透析を行う必要があります。もともと腎炎や糖尿病などがある場合は高血圧によって障害が進みやすいので、血圧目標をより低くして治療しなければなりません。
悪性高血圧
重症の高血圧でさらに急激な腎機能障害を起こす場合があり、拡張期血圧(最低血圧)が130mmHg以上の場合を悪性高血圧と呼んでいます。このような状態では、著しい血圧の上昇によって血管内部が傷つき、その修復のために血液が固まりやすくなります。そのため、細い血管にたくさんの血栓を作ってしまい、腎臓の血管も細くなってしまいます。
そうすると、腎臓は血圧が下がっていると判断して血圧を上昇させるホルモンを大量に分泌し、さらに血圧が上昇するという悪循環が起こってしまいます。このような状態がさらに進行する前に、降圧薬で血圧を管理し適切な治療を行えば腎機能の回復も可能です。 |
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