妊娠中の高血圧(妊娠高血圧症候群)
女性は一般的に男性よりも血圧が低く、あまり高血圧が問題になる事はありません。それは女性ホルモンに血管の収縮や老化を防いだり、水分やナトリウムの排泄を促す作用があるからです。しかし更年期以降は女性ホルモンの分泌が大幅に減少するため、高血圧に対しては男性と同様に注意しなければなりません。
女性の場合、最も血圧に注意をしなければならないのが妊娠中です。妊娠中はホルモンバランスが変わりやすく肥満にもなりやすいため、血圧が上がりやすくなります。妊娠中の高血圧はWHOのガイドラインによると、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上、あるいは妊娠前か初期と比較して最高血圧が+25mmHg以上、または最低血圧が+15mmHg以上であれば妊娠性高血圧とされています。高血圧が進むと妊娠中毒症になりやすくなるため、太り過ぎないようにしなければなりません。最終的な体重増加は標準体重の人で8kg以内、多くても10kg以内にとどめるようにしましょう。
また妊娠中の減塩や適度な食事量を守る事も大切です。妊娠中の高血圧が進むと降圧薬を使用しなければならなくなりますが、胎児への安全性を考慮して使用できる薬も限られてきます。使用可能な薬でも妊娠中は慎重に使わなければなりませんので、胎児のためにも肥満を防いで妊娠中の高血圧を予防するようにしましょう。 |
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