血算
血液1μL中に含まれる赤血球、白血球、血小板の数、1dL中に含まれるヘモグロビン量などを調べます。この検査は高血圧に限らず、病気全般の検査に行われています。
血清生化学検査
血液を試験管にとって遠心分離すると下に沈む血球と、上澄みの血清に分かれます。この上澄みの部分を用いて以下のような検査を行います。
○ 電解質
血清中に含まれるナトリウムやカリウム、カルシウムなどの量を調べます。中でも高血圧の検査ではカリウムの値が重要で、カリウム値が低いと原発性アルドステロン症が疑われ、高い時には腎機能低下が疑われます。利尿薬を服用している時にもカリウム値が下がる事があるので、定期的な測定が必要になります。
○ 血糖
血糖値の測定は糖尿病があるかどうかを知るために必要な検査です。血糖値は時間帯によって異なるため、検査には病院に行った時に測る随時血糖値と、空腹時に測る空腹時血糖値があります。判断基準としては、随時血糖値が1dL中200mg以上、空腹時血糖値が1dL中126mg以上あれば糖尿病型と診断されます。
○ 総コレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪総
コレステロール、中性脂肪の値が高くなると、動脈硬化が起こりやすくなります。また、善玉コレステロールとも呼ばれるHDLコレステロールの値が低くなっても動脈硬化が起こりやすくなります。この3つの値は狭心症や心筋梗塞など合併症の発生を知る上で重要な手がかりになります。
○ クレアチニン・尿酸
クレアチニンの測定は腎機能を調べるために必要な検査です。腎機能が低下するとクレアチニン値は高くなります。また、尿酸値は痛風を診断する上で重要な値ですが、高血圧でも高くなりやすいのが特徴です。実際、糖尿病患者には高血圧が多い傾向にあります。
○ 総タンパク・アルブミン
アルブミンは血中タンパク質の一種で、腎障害などが起こると血圧が高くなり、血中タンパク質の値が低くなるので、腎臓の状態を知る上で手がかりになります。
○ GOT・GPT
いずれも肝機能障害の代表的な指標となる酵素の一種です。様々な臓器に含まれていますが、特にGOTは肝臓と心臓に多く、GPTは肝臓に多く含まれています。そのため心筋梗塞などの時はGOTが高くなり、肝障害の時にはいずれも高くなります。
○ γ−GTP
肝臓に多く含まれている酵素で、肝臓や胆道などに障害があると数値が高くなります。特にGOT・GPTの値が正常でγ‐GTPの値だけが高い場合には、アルコール性の肝障害を判断する指標の1つになります。 |
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