正常血圧と高血圧の基準値は?
正常血圧は人種によって多少異なりますが、血圧の基準として世界的に採用されているのはWHO(世界保健機構)と米国高血圧合同委員会の分類です。日本でも日本高血圧学会で「高血圧治療ガイドライン」を作成し、2000年に発表しています。
それによると正常血圧は収縮期血圧が130mmHg未満かつ拡張期血圧が85mmHg未満とされています。しかし2003年に米国で発表された勧告では正常血圧は120Hg/80mmHg未満とされ、120〜139mmHg/80〜89mmHgは高血圧前症とされています。WHOの分類も米国の分類も改訂のたびに血圧の基準が低くなってきており、世界的に血圧の管理をより厳しくしようとする傾向にあるようです。
分類 |
収縮期血圧
(mmHg) |
|
拡張期血圧
(mmHg) |
至適血圧 |
<120 |
かつ |
<80 |
正常血圧 |
<130 |
かつ |
<85 |
正常高値血圧 |
130〜139 |
または |
85〜89 |
軽症高血圧 |
140〜159 |
または |
90〜99 |
中等症高血圧 |
160〜179 |
または |
100〜109 |
重症高血圧 |
≧180 |
または |
≧110 |
収縮期高血圧 |
≧140 |
かつ |
<90 |
高血圧を重症度によって分類する
高血圧はその収縮期血圧と拡張期血圧から重症度の分類が行われています。分類は3段階に分けられており、軽症高血圧(収縮期血圧140〜159mmHg、拡張期血圧90〜99mmHg)、中等症高血圧(収縮期血圧160〜179mmHg、拡張期血圧100〜109mmHg)、重症高血圧(収縮期血圧180mmHg以上、拡張期血圧110mmHg以上)となっています。重症高血圧の場合は、臨床状態によりただちに治療を開始する事になります。
臓器障害で高血圧を評価する
高血圧は脳卒中や心筋梗塞、腎不全、眼底出血などの重篤な病気の最も大きな危険因子ですが、そのほかの危険因子も重なる事でさらに臓器障害が起こりやすくなります。そのため、高血圧以外の危険因子や現在抱えている高血圧性臓器障害の有無などから、重症度を評価する方法が提唱されており、以下のように分類されています。
リスクについては10年間に脳卒中あるいは心筋梗塞を発症する危険性が15%未満を低リスク、15〜20%を中等リスク、20%以上を高リスクとしています。高血圧以外の危険因子がなくても重症高血圧であれば高リスク群に入ります。また糖尿病を伴う場合は、はっきりとした臓器障害が認められなくても高リスク群に当てはまり、積極的かつ厳重な血圧の管理と治療が必要となってきます。糖尿病以外の危険因子がある場合は、中等リスク群か高リスク群になります。
血圧以外のリスク要因 |
軽症高血圧 |
中等症高血圧 |
重症高血圧 |
危険因子なし |
低リスク |
中等リスク |
高リスク |
糖尿病以外の危険因子あり |
中等リスク |
中等リスク |
高リスク |
糖尿病・臓器障害・心血管病のいずれかがある |
高リスク |
高リスク |
高リスク |
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