血圧を下げる入浴のコツ
お風呂は正しい入り方をすれば血圧を下げるのに有効ですが、入り方を間違うと脳卒中や心筋梗塞を起こす危険性があり注意が必要です。注意するポイントとしては脱衣室やお風呂場の温度があります。ここが寒いと衣服を脱いだ時に血管が収縮し、血圧が上昇します。その寒い中で熱いお風呂に入ろうとすると、急激な温度変化でさらに血圧が上昇します。お風呂に入った途端に最高血圧が50mmHgも上がる事さえあるほどです。
血圧の変化が大きいほど脳卒中や心筋梗塞を引き起こしやすくなるので、入浴の際にはあらかじめ脱衣室やお風呂場を暖めて置くことが大切です。
また、お風呂のお湯の温度も注意するポイントのひとつです。ぬるめのお湯でじっくり入浴すると、温められた血管が拡張するほか、水圧で心臓に戻る血液が増えるために尿を出やすくするホルモンが分泌されて降圧作用をもたらします。じっくり入浴すると体の芯まで温まるため、この降圧効果も持続します。また、市販の炭酸浴剤などの入浴剤を使っても湯冷めしにくくなるため、降圧効果が持続しやすくなります。
年配の方ほど熱いお湯を好みますが、熱いお湯では長時間入っていられないためにこの降圧効果は持続しません。また、42度以上のお湯に長時間入っていると高温によって体の水分が失われるため、血液がドロドロする事で血栓ができやすくなる事もわかっています。これにより脳梗塞や心筋梗塞の危険性が高まるので、入浴前とあとに十分な水分補給をするようにしましょう。
寒さを防いで血圧対策
体の周囲の温度変化も血圧に影響を与えます。特に寒いところでは体温を逃がさないように毛細血管が収縮するため、血圧が高くなります。ですから、冬に暖かいところからいきなり寒いところへ出るような急激な温度変化は血圧を上昇させるため、脳出血の引き金になる事があります。暖かい家から外出する時は、手袋やマフラー、靴下などで体を暖かし、体を冷やさないようにしましょう。
一般に血圧は夏に低く、冬に高くなる傾向があります。寒い外に出なくても、家の中でも寒い部屋はありますので注意が必要です。特に冬の寒いトイレでいきんだために脳出血を起こしたという事例もありますので、トイレ用ヒーターをつけたり、暖房型便座にするなどの対策をしておくとよいでしょう。
|
|