お酒はどのくらい飲んでいいの?
お酒を少量飲むと血管が拡張して血行がよくなるほか、リラックス効果もあるために短期的に血圧がさがります。また動脈硬化のリスクを減らす事も知られており、適度なアルコール摂取は芯血管障害による死亡率を30〜40%減らすという報告もあります。しかし長期にわたる過剰な飲酒は逆に血圧を高くするほか、肝機能を低下させて肝硬変を起こしたり、アルコール中毒になったりします。では適量のお酒とはどのくらいなのでしょうか。
日本ではお酒に含まれているアルコールの量を%で表しています。アルコール5%のビール中ビン1本であれば、約32mLのアルコールが含まれている事になります。日本高血圧学会では1日に摂取するアルコール量を男性で20〜30g、女性で10〜20g以下としています。このくらいの量であれば肝機能への影響も心配ないとされています。
この量はあくまで高血圧の人が1日に飲んでいいアルコール量の上限ですので、長期に渡って肝臓に負担をかけないためにもアルコール量は控えるようにしましょう。また、連日の飲酒が血圧上昇に関係している事がわかっているので、適度に休肝日を作るようにしましょう。
血圧に与えるタバコの影響
タバコには4000種類以上の化学物質が含まれており、それによって肺がんや喉頭がん、胃潰瘍などのさまざまな病気を引き起こします。タバコは血圧にも影響を与え、タバコに含まれているニコチンが血管を収縮させる事で血圧を上昇させます。
一般に、タバコ吸う事で1分間の脈拍は15〜25増加し、最高血圧で3〜12mmHg、最低血圧で5〜10mmHg上昇させるとされています。また、喫煙によって変性したコレステロールを血管壁にいるマクロファージが処理する事で、動脈硬化も急速に進む事がわかっています。
しかもタバコは血圧そのものに対する影響だけでなく、心臓の冠動脈の動脈硬化を進める事も知られており、狭心症や心筋梗塞の発作を起こすリスクを高めます。タバコを1日10本以下の喫煙でも1.5倍、40本以上では5.5倍にも危険度が増します。さらに高血圧の喫煙者で高コレステロール血症のある人の場合では20倍にも危険度が増します。
このような理由からも禁煙する事がベストなのですが、ニコチンには麻薬と同じような依存性があるためになかなかやめる事ができません。無理にやめようとすると、イライラしたり怒りっぽくなったりといった禁断症状が起こる事もあります。禁煙が難しい場合はせめて節煙するようにしましょう。空腹時にはニコチンが胃の粘膜から吸収されやすいのですが、食後は吸収が少なくなります。タバコは食後の一服程度にして、1日あたり5本以内にとどめるようにしましょう。
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