カルシウム拮抗薬
○ どんな薬なの?
心臓や血管が収縮する際にはカルシウムが細胞の中に流れ込みますが、この通路を妨げて収縮を抑えるのがカルシウム拮抗薬です。1970年頃から使われ始め、日本でもよく使われている薬です。この薬によって心臓の過剰な収縮を抑え、血管を拡張させる事により血圧を下げます。不整脈の人には使えませんが、ほとんどすべての高血圧患者に広く使える降圧薬です。
○ どんな人に向いているの?
カルシウム拮抗薬には強い冠動脈拡張作用があるので、虚血性の心疾患患者によく使われているほか、収縮期血圧の高い高齢者において有効性が示されています。また、糖尿病や高脂血症などに対しても悪い影響を及ぼす事がなく、糖尿病患者において脳卒中や心筋梗塞などの予防効果が認められています。
○ 注意点
カルシウム拮抗薬には血管を拡張する働きがあるため、服用後1〜2時間くらいに顔が火照ったり、脈が速くなったり、動悸、頭痛、便秘などの症状が出る事があります。症状が強いようであれば医師に相談するようにしましょう。また、カルシウム拮抗薬と一緒にグレープフルーツを食べると、薬の効果が強まって血圧が下がりすぎてしまう事があります。これはグレープフルーツに含まれている成分が、薬を代謝する酵素の働きを妨げる事によって起こります。ですから、薬の服用と同時にたくさん食べたり、ジュースを飲む事は避けるようにして下さい。 |
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