ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬
○ どんな薬なの?
体内にはアンジオテンシンという物質があり、アンジオテンシンTとアンジオテンシンUの2種類があります。必要に応じてアンジオテンシンTからアンジオテンシンUに変換し、強い血管収縮作用を発揮します。ACE阻害薬はこの変換を阻害する事で、血管収縮作用の強いアンジオテンシンUを減少させて血圧を下げます。また降圧作用のあるキニンという物質を増やす効果もあります。
○ どんな人に向いているの?
幅広い年齢層に使う事ができ、70〜80%の人に有効とされています。この薬は脳卒中や心筋梗塞の発症率を下げる効果があるほか、腎障害の予防にも働くため、心筋梗塞や腎障害を起こしやすい糖尿病患者には積極的に使う事が勧められています。
○ 注意点
ACE阻害薬の服用によって降圧作用のあるキニンの量が増えますが、これによって空咳が出たりする事があります。ひどい場合には喘息のように咳が止まらなくなる事があるので、喘息の持病がある人は避けた方が無難です。症状がひどく出る場合には医師に相談するようにしましょう。また、アンジオテンシンUは胎児期に重要な働きをするので、それを抑えるACE阻害薬を服用すると胎児に重篤な障害を起こす危険があります。そのため、妊娠を希望している方や妊娠中の方はこの薬を飲んではいけません。 |
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