β遮断薬
○ どんな薬なの?
人は緊張したりストレスを感じたりするとカテコールアミン(アドレナリンなど)という物質が出て、心臓がドキドキしたり血管が収縮したりして血圧が上昇します。このカテコールアミンは細胞の受容体に結合して作用しますが、受容体にはαとβの2種類があり、場所によって受容体の分布が異なります。心臓にはβ受容体があるため、カテコールアミンが分泌されると心拍数が増えたり収縮を強めたりして血圧を上昇させます。β遮断薬はこのβ受容体にカテコールアミンが結合するのを妨げる事で、血圧を下げる働きをします。
○ どんな人に向いているの?
β遮断薬は心臓に負担のかかりやすいストレスの多い人や脈拍の早い人などに広く使われています。狭心症などの虚血性心疾患のある人ではβ遮断薬を使用する事で心肥大が改善したという報告もあるほか、その後の予防効果も期待されています。
○ 注意点
心臓に不整脈がある人への使用は危険です。特に脈が遅い人の場合は、服用する事でさらに脈が少なくなってしまいます。また、β遮断薬を使用すると気管支が収縮しやすくなるため、喘息の人に使用すると喘息発作を引き起こす危険性があります。薬の使用を中止する場合は、徐々に使用量を減らしていきます。急に中止してしまうと、今まで塞がれていた受容体に一気にカテコールアミンが結合するため、急激に血圧が上昇する恐れがあります。 |
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